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Alles ist vergänglich

東京で和歌山を感じる ~料理通信イベント~  +和歌山の魅力

和歌山が全国に誇るイタリア料理の名店「Villa Aida」のシェフと、マダム(ソムリエール)が東京に来ました。
※写真は、料理通信の方に了承を得て載せてます。
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関西に住んでいた時、和歌山の後輩に教えてもらった「Aida」。
初めて行った頃、まだViillaは無く、場所柄にしてはマニアックな料理(テロワールを感じる)が新鮮で、
果たして、こんな僻地(すみません)でやっていけるのか、ちょっと心配だった。(自分の心配してろよ、って感じだがw)
その後、和歌山の素材に特化した「大地・海・空気」を感じさせてくれる素晴らしい料理と、
コージーかつニートな店内で過ごす時間が心地良くて、何度か訪れた。
その後、ネットやメディアなどで盛んに取り上げられるようになったのもあって、一気にブレイク。

ブレイクしてから足が遠のいてしまったし、和歌山へ行く頻度が落ちてから、Aidaの事を忘れがちになってた。
しかし、東京に来てから、関西にいた頃よりも地方の料理が気になるようになり(勿論、地方の素材や自然も)、
また「Aidaの料理が食べたい」という思いが募ってきていた。
そういうとき、Villa Aidaが東京に来るという情報を知り、テンションUP。 すぐ参加を決めた。
いつも、こういうイベントは同業者と参加するのだが、今回は料理好きな相方に御相伴して頂いた。
(関東の一般人・・・純粋なレストランファンに、和歌山の食材と料理を知ってもらいたかった)

まず、マダム(ソムリエール)の選んだスパークリングワイン「ヴィッラ フランチャコルタ・ブリュット・ミレジマート(2006)で乾杯。
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「料理通信」のスタッフさんたちは凄く明るく、純粋に「料理が好き!」という感じがビシビシ伝わってきた。
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更に私の勝手な印象だが、料理に対してミーハーな感じも良かった。
ミーハーというのは決して悪い意味ではなく、確かな知識を持っているということも含めて、
とても「正しい姿」だと思えた。
シェフは、やっぱり「食」に対して独特なスタンスをお持ちであり、とても真摯な感じがする。
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ハニカミ屋に見えるが、凄く芯の強い方なんだろう。 「皿の上の物語」で見た印象と寸分違わぬ感じ。

和歌山県の観光振興課の方だったかな?(違ってたらスミマセン)
俳優の神保悟志さんを10歳くらい若くしたようなオトコマエの方が、和歌山の魅力を熱血アピール。
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最初に出たのは「新たまねぎのグラタン」。 
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関西に住んでた頃は、淡路島の極上たまねぎをワンサカ食べてたから、たまねぎには煩いつもり(笑)。
甘さと酸味を活かしたグラタンは快適な美味しさ。
横に添えられた鴨の肝(メインで使う紀州鴨の肝)のガツンと来る味わいが、
たまねぎの旨みと呼応し、至極快適な食事のスターターとなっていた。
ちょこっとしか添えられてなかったが、ルッコラの力強い味と香りも見逃せない。


「真鯛と新にんにく、新じゃがのバポーレ レモンとアンチョビ」。
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和歌山の海産物は素晴らしい。 鯛と言えば、加太や串本あたりかな。
SNSに何度も書いたけど、私は鯛の魅力を再評価してほしいという思いがある。
都市部へは様々な地域から魚介が集まってくるし、各レストランが産地と提携して多種類の魚介を使うから、
鯛への有り難味や憧れは薄れたのではないだろうか・・・!?
それに、メディアや物書きの意見の影響も加わり、いつしか鯛は「ベタな高級魚」と化した気がする。(こんなこと思ってるのは私だけか)
ヒラメ、タラ、アンコウ、ハモ、グジ(甘鯛)、スズキ・・・これら白身魚の勃興が凄い。
そんな中、あまりイタリアンやフレンチに向かない鯛を蒸し(鯛はヴァプールが一番向いてる)、
鯛の持ち味を引き立て、他の素材・調味料と絶妙な匙加減で合わせている。
イタリアらしい「香り」を立たせつつ、しっかり和歌山の(「和歌浦」と言いたい)海風を感じさせてくれた。

合わせて頂いたワインは、コスラミ(2010)
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※ワインと料理の相性を語りだすと、下手な長編小説になるのでw、端折ります。

「ホウレン草と釜揚げしらすのラビオリ」と「うすい豆のリゾット」。
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周りのお客さんの反応は正直。ラビオリを口に含んだ瞬間「美味しい~」との声が上がっていた。
イタリア料理の真髄を思わせるラビオリの味わいと、春の息吹が芬々と鼻腔を覆うリゾット。
伊と和の融合を当たり前のように感じさせる、しみじみとした美味しさ・・・シェフにとっては、これが「当たり前」なんだろう。
そう感じられるだけで、ここに来て良かったと思った(笑)。



「紀州鴨とサザエ、それらのソース 黒キャベツの新芽」。
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たっぷりとジュースを含んだ紀州鴨は、ソバージュのそれと違って穏やか(又は、たおやか)な味わい。
それがまた、実に心地良い旨さで舌に迫ってくる。
そこに、黒キャベツのコク深~い味が重なって、赤ワイン(レ・クレーテ ピノノワール・ヴァッレ・ダオスタ2010)と抜群に合う。
この料理の核は「サザエ」だろう。
弾力抜群のサザエの苦味(シェフは苦味好き)と深い味わいが、絶妙たるアンバランスを醸していて最高。
「鴨とサザエを合わせたキッカケは?」との問いに、シェフは「厨房にあったから」と答えた。
そこで会場はドッと沸いたが(イベント的には普通の反応)、料理人の感性では至極当たり前の言葉だろう。
というか、それをサラッと答えてしまうのは真っ当な感性だと思う。

今まで色んなレストランや職場で鴨を食べたけど、紀州鴨が一番口に合ってたような気がする。
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シェフ、マダム、料理通信スタッフさんたちのトークも、凄く盛り上がった。
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観光の話題になった時・・・
和歌山に親しい友人がいるし、和歌山の歴史(徳川紀州藩)・温泉・地理・人物(南方熊楠、華岡青洲、津波に立ち向かった濱口梧陵など)・文学(中上健次)を広くカバーしてるので、このトークに割り込みたい心境だったが、ウザがられる&ドン引きされること必至なので沈黙してた(笑)
※私自身は、料理人同志の交流を積極的に広げてゆくタイプではないので(この数年は、「井の中の蛙 大海を知らず、されど空の高さを知る」的な生き方が気に入ってる)、シェフのような「広がり方」も勉強になる。


ドルチェは、ラテコッタと柑橘果実のコンフィチュール、カモミールのジュレ。
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デザートの鉄則「果物より果物らしく」という教則に限りなく近い味わいも感じられ、
素材それぞれが持つ味を「確かな技術」と「卓越したセンス」によって昇華させた逸品だと思えた。
飲み物は、「よもぎ茶のティエスプレッソ」。
これ、味覚の拙い方は苦手だろうが、苦味の魅力を分かってる人には堪らない味わいである。

最後に、シェフ・マダムと写真を撮っていただいた。料理通信のスタッフさん、有難う御座いました。
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私たちだけ顔を隠してスミマセン・・・めっちゃ恥ずかしいので(^^;


帰りに頂いた和歌山のお土産。(太っ腹すぎる!)
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・「丸正酢醸造元」梅黒酢・・・もち玄米を原料に、世界遺産の地・那智山の伏流水で500日かけて仕込む古式醸造酢「那智黒米寿」に紀州梅と氷砂糖を3ヶ月間漬け込んだ「飲む酢」。

・「角長」濁り醤・・・醤油発祥の地・湯浅町で170年続く醤油蔵。
圧搾も過熱もせず、糀が原料を分解して出来た醤汁のみを瓶詰めに。
完成するまでに10年を要した逸品。

・「早和果樹園」味一しぼり・・・糖度12度を超える和歌山県の高級ブランド・有田みかん(味一みかん)だけを、皮を剥いてから絞ったもの。






和歌山は、ほんまに素晴らしいところなので、皆さん観光に来てください。
温泉(殆どが源泉掛け流し)、世界遺産、歴史(偉大な南方熊楠、華岡青洲、濱口梧陵)、
食べ物(新鮮最高質の魚介、和牛、地鶏、郷土料理も魅力十分)、
スケールの大きな自然形成など、見るべきところがたっぷりです。
それに、和歌山の人たちが素敵です。

以下、個人的に好きな所。


黒潮うねる海流が美しい。(写真は七里御浜)
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あまりにも荘厳な那智の滝。
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南紀勝浦「らくだの湯」。
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世界遺産唯一の温泉「つぼ湯」(湯の峯温泉)
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そして、高野山!
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by bonchi_mas | 2012-03-30 00:00 | 料理 「私的」