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Alles ist vergänglich

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日本で初めての100%ベジタリアン南インド料理店 & 感性の保養

上野LOVE!
昼前から大手を振って酒が飲めるし(滅多に飲まないが)、美術・博物館の宝庫だし、可愛いパンダはいるしw、
パワー溢れるカオスな街、上野公園の緑(写真は夏の不忍池)、旧岩崎邸や湯島天神などのリラクシンスポット・・・
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それに、実力派フレンチ、東京を代表する和食、トンカツ御三家など、美食関連も強い。

ちなみに、隣接する街(本郷、谷根千、浅草)も大好き。
シャレかました店が多い西東京も、好きは好きなんだが、やっぱ人の匂いがしない街は心が動かん。
芦屋がメチャメチャ閑静・豪奢な街だったんで、東京の高級住宅地も別に目新しいとは思わない。

話が逸れたが、御徒町にあるインド料理の聖地「ヴェジハーブサーガ」に行ってきた。
まだ新しい店なのに、インド料理フリークの間では既に高評価を得ている。
向こうに住んでた時、神戸の実力派インド料理店は、ほぼ制覇した。
東京より神戸の方がインド料理のレベルが高いとか何とか、味に一家言持つ某映画監督が言ってたような気がする。
だから、東京のインド料理はどうなんだろう・・・ずっと気になってた。
八重洲や銀座の某有名インド料理店は何度か攻めたし、なかなか実力が高いという事は分かった。
だが、まだ「確信」は得られない気がした。(リピートしたい!と、心から思えなかった)

ところが、である。


ここは素晴らしい!
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行く前から絶対に食べようと思ってた、マサラドーサ。 デカイww
パリッとしたドーサ(南インド版のクレープ)が、香り高くて旨い!
中にはジャガイモ・香辛料を炒めたものが入っていて、かなりボリューミー。
ソースは、トマト・パクチー・ココナッツの3種で、それを一緒くたにし、ドーサにつけて食す。
心地良い複合を魅せるソースが、これまた至極ゴキゲンな味わいで、鼻腔が喜ぶ。
ラッサムは、今まで食べたものの中で、一番好みの味つけだった。

これは、タマリンドライス。
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タマリンド(マメ科:トロピカルフルーツの一種)の美しい酸味がたまらん!
食感も素晴らしいし、何と言ってもスパイスのバランスが完璧。
本当は他のビリヤニを食べたかったんだけど、酸味を欲していたので大正解だった。

店員の接客も良いし(カタコト日本語のインド人が2回も味の感想を聞きに来て可愛かったw)、
これは贔屓にしたい店だと思えた。




帰りは、国立西洋美術館へ・・・ ここは、何度もリピートしてる。(機会があったら詳しく書く)
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「ゴリアテの首を持つダヴィデ」(グエルチーノ・本名ジョバンニ・フランチェスコ・バルビエーリ)制作年・1650年頃
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グエルチーノの弟子が、この作品を模写(2点現存)してることから、当時から傑作の誉れ高かったのだろう。
神に勝利の感謝を捧げる構図が静謐な空気感を漂わせ、ダークブルーがグエルチーノの真骨頂を現している。
観るたびにゾクゾクする魅惑の作品だ。



「マリー=アンリエット・ベルトロ・ド・プレヌフ夫人の肖像」(ジャン=マルク・ナティエ)制作年・1739
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私が好きな「フォンテーヌブロー派」の伝統を復活させた画家。
銀灰色に煙るような色彩から、何ともいえぬ色香が立ち上ってくる傑作。


「帽子の女」(ピエール=オーギュスト・ルノワール)制作年・1891
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優雅な中に、なよやかな雰囲気が香る魅惑の作品。
ルノワールの作品を鑑賞してると、脳が宙にたゆたうような・・・不思議な快感に包まれる。


以上が、この日印象に残った作品たちである。
また西洋美術館の収蔵品の事を書くので(名品が多すぎて書ききれないが)、楽しみにしてほしい。
by bonchi_mas | 2012-02-11 00:00 | Tokyo Drifter 「連載」

「さいごの色街 飛田」を読んだ

東京へ越してきてから、吉原に関する書籍ばかり読んでいて、関西の遊里(色町)を忘却の彼方に置き忘れそうになっていたが、「さいごの色街 飛田」(井上理津子/著)を書店で見かけ、手に取ってみた。
目新しい事は書いてないように見受けられたが、やっぱり飛田は気になる場所なので、じっくり読んでみようと思い購入。
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過去、色々な場所に、何度か飛田新地の事を書いた。
飛田新地の近くに住んだ事があり、ガキの頃は西成暴動(1990年)を見学に行った事がある。
だから、私にとって、飛田(と、その周辺)は、様々な感情が交錯する特別な場所なので、
期待を込めて読んでみたが、遊里史を少なからず学んだ自分にとっては「ありきたりな内容」に思えた。
場所柄、書けない事が多かっただろうし、「ナカ」の人は煮え切らない発言ばかりで要領を得ない。(仕方ないよね)
だが、かなり頑張って取材してるし、女性ならではの優しい文体が飛田を単なる「悪所」と感じさせず、
馴染みの無い人にもすんなり読ませる佳作だと思う。
(但し、人によっては壮絶な内容と思えるだろうし、性描写もハードだと感じるだろう)

特に、阿部定のくだりは、短かったけど面白かった。
阿部定が飛田新地で働いてたのは知ってたが、何故、飛田へ流れていったのか知らなかったし、
その後、丹波篠山へ流れた事も含めて勉強になった。




あと印象に残ったのは、
・タカヤマさん(著者の友人)が料亭の面接を受け、曳き子(やり手婆)さんに魅せられた話
・飛田に20年通ってるキス好きの男の話
・毎月3千円をNGOに寄付し、フィリピン人の里親になってる姫の話
・ブログで有名になった「まゆ美」ママの話
・38歳で曳き子(やり手婆)になったタエコさんの身の上話




飛田は「遊廓」と「赤線」の雰囲気を残しているし、今もって「色里」という言葉が似合う貴重な場所だ。
(私は昔から「裏世界遺産」と呼んでいる)
張り見世があるから、素見(ひやかし)だけでも楽しい。(後述するが、素見は遠慮したほうがいい)

私は、江戸期の吉原や島原などの遊廓から生まれた「文化」が好きだ。
だから、それらを自分なりの感性で飛田に投影し、町の「雰囲気」を楽しんできた。
飛田には、吉原や島原にあったような重厚な歴史や文化は無いので、通常なら投影出来ないのだが、
張り見世、独特の妓楼建築、昔から残る壁や大門・・・これらを遊廓文化の残骸と思えば、十二分に楽しめるのだ。
そして、近づきがたい・・・昔で言うところの「悪所」特有の妖しい雰囲気に、グーッと吸い寄せられてしまう。

古臭くてダサい言い回しだけど、男のロマン(笑)として、飛田は“魅力的な場所”だと思う。
これからも、ずっと残っててほしい場所なのだが、「さいごの色街 飛田」を読むと、
貧困ビジネスに通ずる部分を改めて思い起こし、やっぱり複雑な気持ちになってしまった。
色里の「負」の遺産が連綿と受け継がれている実態・・・ これは、如何ともし難い悲しい現実だ。




「最後の色街 飛田」の“あとがき”から、心に残った箇所を抜粋させて頂く。

「民俗学とは、ある地域やある集団が古今共通して共有する『クセ』である」と、民俗学者の神埼宣武さんが、
『聞書 遊廓鳴駒屋』に書いておられる。
本書は「学」ではないが、そういった「クセ」が累積し、多重化した一つの地域の姿を書いたものとして、読んでいただけたらと思う。
 なお、本書を読んで、飛田に行ってみたいと思う読者がいたとしたら、「おやめください」と申し上げたい。
客として、お金を落としに行くならいい。そうでなく、物見にならば、行ってほしくない。
そこで生きざるを得ない人たちが、ある意味、一所懸命に暮らしている町だから、邪魔をしてはいけない」


以上を踏まえ、「素見(ひやかし)」は、絶対にやめようと思った。
以前から何度も書いてるが、私自身は、遊廓から生まれ出でた文化(照明・落語・物語など)が好きで、
それらを調べていくうち、「遊廓の残り香」を感じたくて、方々の色里を歩いてきた。
(登楼したことは一度もないし、これからも無いと思う。先の事は分からないが)
「鯛よし百番」には何度も食事に行って、そのついでに飛田新地の中をグルグル回った。
だが、今度「鯛よし百番」へ行く事があっても、「ナカ」は見て回らない事にした。
以前から、「冷やかし、物見遊山で行くのはダメだ」と、遊里史を齧った「驕り」から、
友人知人には注意喚起してたのだが、私も「なか」の「客」ではないのだから、行くべき人間ではない。
それに気づけただけでも、この本を読む価値は大いにあった。
井上理津子さん、良書を有難う。


何かメチャクチャな文章になってしまったけど(ブログ書くのは超久々だったので)、
やっぱ飛田が気になる者としては、乱文になっても書かずにいられなかった。
関西に帰ったときは、「鯛よし百番」で宴会しながら、遊廓に関するアレコレを友人たちと語り合おう。


それと、やっぱり飛田周辺は危険な場所という事を頭に入れておいたほうが良い。
幾分平和になったとはいえ、まだまだ危ない人は多いから。
女性も行くべきじゃない。絶対に。(飛田の住民の心情を慮ると同時に、犯罪も危惧されるので)



「追記」
吉村平吉の「吉原酔狂ぐらし」を読んでみると、素見も良いかなと思い直してしまった。
だが、昔と今の社会背景を鑑みると、やっぱり複雑になる。
by bonchi_mas | 2012-02-05 00:00 | 遊里・遊廓・赤線址